第43章 旅路の中で

理世と別れて…いや、離れて！最初の夜…男四人での雑魚寝…

「…なぁんか！こういうのひっさしぶりだよな！」
「まぁ、ずっと僕ら二人か三人でしたからねぇ…」
「どこぞのバカが常にいなかったからな」
「悪ぅございましたね」
「とはいえ、あ、理世？」
「…八戒？」
「…あ、居ないんでしたね…はは…僕としたことが…」
「…でも理世がいない夜ってのもなんか…ちょっと寂しいな」

俺だけじゃねぇって事か…にしても…それを言われても俺と三蔵は会話に参加することもなく…

「でも一番寂しいのは悟浄でしょうね」
「いんや…ちげぇよ」
「え？もしかして三蔵？」
「なんでだよ…！」
「…そうですね…」
「あいつだろ…」

そうだ…誰よりも寂しく感じてんのは…理世だ…俺だって、寂しいけどよ…そうじゃねぇ…
男だから、女だからとかじゃねぇ…少なくても俺は離れてもこいつらがいる…

「…泣いてねぇかな…理世…」
「少し心配ですね…」
「そうは言っても俺たちは進まなきゃならん。それにあいつが居たら足手まといだ」
「そうかもしれねぇけどさ！！！…でも…やっぱり心配だよ…」

猿のこんな顔も久しぶりに見た。…それに…解りにくいけど嫌な役、嫌な事全部いう役自然に買って出る三蔵も三蔵だ…

「…でも、いざとなると強いぜ？理世…」
「強いと見えて弱いですよね…」
「腹くくるまではよわっちぃだろうさ…でも…」
「そうだな。あいつなら…寂しい寂しいって言いながらもいざとなりゃ俺らよりも強くなる時がある」
「怖い、よな…」
「悟空？それはまた違う意味で、ですよ」
「とにかく今は寝るぞ。明日も早い」
「そうですね…」

結局俺が言うまでもなく…皆知ってるんだよな。理世の真根がすっげぇ強いって事…
でも…弱くさせちまったのは俺かもしれねぇって事だよな…