第39章 お使い、そして…
「で、えーっと…」
「大丈夫だ。一人で行けとは言わねぇよ。」
そう言って沙烙は一人の男性を紹介してきた。
「恒天部隊の青藍(セイラン)だ。一緒に行ってくれる」
「よろしくお願いします」
「あ、よろしくお願いします。」
「若手だが、護衛には申し分ないと思う。」
「全力で!!」
「分かった。それで…今から行けばいいの?」
「あぁ。」
「支度の時間は?」
「まぁ、それくらいは?」
そうして急ぎ家に戻れば簡単に着替えを持ち、必要最低限を荷物に詰めて私は青藍と沙烙の待つ村の入り口に向かっていった。
「…ごめんなさい、お待たせして…」
「いや、大丈夫だ。それじゃぁ…頼んだぞ?」
「…ッ…」
「青藍、頼んだぞ?」
「…はい…ッ」
結構な量の薬を受け取り、『行ってきます!』と私は沙烙に伝えた。ある程度引き返せなくなるころに来た時、私はさっきの沙烙の態度が気になりすぎて青藍に聞いてみることにした…
「…あの、青藍さん?」
「青藍でいいです。」
「そう…?」
「はい、それで何でしょうか…」
「…沙烙、何か隠してるよね…」
「…ッッ…いえ…そんな事は…」
「隠さなくてもいいよ…何?」
「…ッッ私からは…言えません…」
「それって私に関わる事?」
「…それは…」
そう言いながらも運転を緩めることがなく進んでいく青藍。
「…教えて?」
「…もしかしたら…戻る時には…」
「何?」
「いえ……離れた村で…一晩過ごして、命を守れ、と…」
「どういう事?」
「そこまでは…」
観念したかの様に吐き出す青藍の言葉。何があるっていうの?それ以上は聞くことが出来なかった。