第4章 襲撃、守る腕
そうして食事をし始める一行。何もなく、ただ嬉しそうにほおばる悟空を見ながらも三人はただ自分たちのペースを壊す事無く淡々と口に運んでいく。その時だ。
キャァァーー!!!
グワァア!!!
一気に騒がしくなった途端に一行のテーブルではかちゃりとカトラリーがおかれ、はぁ…っと大きなため息が吐かれた。
「…食事位静かに食わせろってんだ…」
「そういいましてもねぇ…」
「うげえぇ、俺まだ食い足りないのに…」
「そういわないでくださいよ、悟空まで…」
ガシャン…バキ…
物の壊れる音、そしてそれに混じって女子供の叫ぶ声が聞こえてくる。
「行きましょうか」
「…だな」
「お前はここにいろ」
「…ふぇ?」
「邪魔なだけだ」
「わかった…」
三蔵の冷たすぎる言葉も優しさゆえのもの…それは理世もしっかりと分かっていた。そのため、反論することもなく、転ぶ子供に手を差し出すのみとしていた。
「…どこにでも来るのが嫌な世界になっちまったもんだねぇ…」
「…そう、ですね」
「あんたの連れ達は大丈夫なのかい?飛び出して行っちまったけど…」
「強いんで、大丈夫だと思いますよ」
そう話しながらもにこりと笑いかける理世の顔に子供も少しずつ安心感を取り戻しつつあった。
「だぁぁ、ほんっと懲りないねぇ…」
「同感です」
「こんな時にあのクソ河童は何してんだ?!」
「そりゃ女といちゃついてんだろうよ」
「はぁぁ?!こっちはしんどい思いしてんのに、かよ!!!」
「それはあのバカに言いやがれ…ってんだ!!」
ガウン…!と三蔵の銃もうなりを上げる。