第20章 気付いた恋心
それから時期にジープに戻ってくる三人。そのまま何事もなかったかの様にジープを走らせる。
「…次の街まではあと三日ってところですかねぇ…」
「うげぇ、結構あるな…」
「次の街はこの間の街以上に栄えているみたいですが…」
「二日だ」
「…はぁ?」
「いえ、三蔵、せめて三日ではどうでしょうか?」
「二日。」
「二泊三日とかではなく?」
「一泊二日」
「それでは白竜がさすがにかわいそうですが?」
「…チッ…なら二泊だ。」
「分かりました。ありがとうございます」
「……」
無言のままふいっと外に目をやる三蔵。そのまま気づけばうとうととしていた。いつの間にか、夕方にもなっている。
使われていない小屋を見つけて間借り状態で中に入る。
「…まぁ、風が防げるだけ十分だな」
「そうですねぇ…」
「何もないといいんだけど…」
「何かあっても何とかなるだろ」
そうして中で一晩過ごすことにした一行。無事に朝を迎えれた五人はそのまま朝早くに出ていく。二泊目はジープの上で眠ることにした。
「…ン…」
位置的にも理世が悟浄にもたれる形になるのは致し方ない事。それでもポス…っと凭れかかった理世を弾き飛ばすことも無く、そっと抱き寄せた。
「…たく、俺の身にもなれっつぅの」
「俺の身、ですか」
「八戒、起きてたのか…」
「なんだかあなたが気になりまして…」
「そ、」
「理世と何かあったんでしょうけれど…」
「なんもねぇっつぅのは嘘だな…」
「ですよね」
「なぁ八戒?」
「なんですか?」
「……・・やっぱまだいい」
「そうですか。また話せるときになったら聞きますよ」
「…んぁ、解った」
「そういえば三蔵から聞きましたが」
「……なんだ?」
「クス…あなたの思っている様な事はないと思いますよ?」
「なんのことだ?」
「いえ、僕の憶測なんですけどね?三蔵と理世は付き合ったり体の関係ではないですよって事だけは伝えておこうかと思いまして」
「……エスパーかよ」