第39章 心は運命も本能も飛び越える✿保科宗四郎✿裏
業務を終え家に戻ってくると、家の中は静かだった。リビングに行っても姿は見えなかったので、寝室を目指す。寝室の扉を開けた途端、甘い香りが僕の全てを奪おうとした。
ベッドに目を向ければ、僕の服に囲まれ、先程あげた上着を抱き締めて眠っているあの子。下は何も身に纏っていなかった。
「巣作りとか……ほんまにあかんて。今すぐ犯して、噛み付きたい」
強烈に喉が渇く感覚。身体が勝手に動きそうになる。"あのΩを自分のものにしろ"と本能がうるさい。同意の上やないと、絶対に契約せぇへん。
ちゅーか、運命とか本能とかどうでもええねん。君がΩだと、運命だと知る前から惹かれとったんやから。やから……僕自身を見て欲しい。
もぞもぞと動き始めた彼女はまた、自身を慰め始めた。ゆっくりとベッドに膝をつき、覆い被さる。
「僕が欲しい?したら、楽になるんやないの?……心配せんでも、同意なしに噛んだりせん」
ビクッと震える肩が愛しい。僕の息がかかる度に唇から僕を誘う声が漏れる。
「……て……」
「ん?」
「挿れて、ほし……」
甘い香りが一気に強くなり、気付いたら僕は、根元まで自身を捩じ込んでいた。