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ちょっと女史〜!

第3章 どっちかといえば、アーモンドアイだったわ


「余所見してると危ないですよ~。ぶつかられて、ビニールボロボロ、カップ麺散乱、手に持ってた筈のかわいこちゃん消えたんですけど、どう落とし前つけてくれるんですかね?」 

 あ、当たり屋だ。普通、只、ぶつかっただけならば、そうはならないだろうと思うがぶつかってきた相手がひったくり犯なだけに、庇う気は微塵もない。
 「知らねーよ!こっちは急いでるんだ。離せ!」
 一拍置いて、
 「ふーん、そう、じゃあ仕方ないな。引き止めてごめんなさい」 
 女は男をあっさりと離した。男はその場を後にする。って、待て財布

 「これ、貴方の?」
 差し出される見覚えのある財布。
 「回し蹴りしたときに落としたから、逃がしたんですが、あ、違っててもご安心を。多分回りの人が拡散しただろうからすぐ捕まると思うので」
 「あ、ありがとうございます。何とお礼を言ったらいいのか」
 赤べこよろしく頭を下げる。外人さんと、我関せずとばかりに立っている赤い髪の下睫毛バッサバサの男。どういう関係か少し気になりつつも、そんなことよりこの散乱させてしまったカップ麺を拾い集めねば、
 手を動かしていると外人さんが手伝ってくれた。赤毛さんは溜め息を溢してから、仕方なくとばかりに手伝う。しかし、超絶美人さんなのに愛想が少しもないこの人、どこかで見たことあるような。と、言うか私のマイスイートハニーマジで何処いった?人助けした事、後悔しそう。

 「有難うございます。拾うの手伝って下さって」
結局、マスコット(デアリングタクト)は旅立った。悲しい。之がオグリキャップだったら意地でも探したし、何ならひったくり犯にも探すの手伝わせた。しかし、旅立たれてしまった今、全てどうでもいい。
 「いいえ、コチラこそ。御礼をしたいのだけど、何が良いか。あ、そういえば冴ちゃんの直筆サインが…」
「え、誰それ、いらない」

何やらゴソゴソと取り出そうとした外人さんはその体制のまま、固まってしまった。
 
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