第2章 溺愛
こわーい顔の照にそっと近付き
「この人僕のなんで…
気安く話しかけないでもらって
いいですか?」
なんて相手を威嚇し始める照の手を引き
慌ててその場を離れる…
少し離れた場所で
不機嫌に立ち止まった照に
「照くーん?
眉間に皺がよってますよ笑?」
そう言ってシワのよった眉間に
人差し指で触れると
照は私の頭に自分の被っていた帽子を
目深に被らせ
「行くよ…?」
と早足に歩き始める…
今日は外でご飯を食べるはずだったのに
連れてこられたのは
照の家で
リビングに入ると照は急に笑顔になり
「ご飯俺作るからちょっと待ってて?」
そう言うとキッチンに行き
夕ご飯の支度を始める…
今日も結局こうなってしまった…
照が悪いわけじゃない
すべてはあのタイミングでナンパなんぞする
あの男が悪い!