第8章 番外編・拝啓、サンドラお嬢様
休みの日に旦那様とお買い物に行って、大きな宝石を二つにして、ラペルピンとブローチに加工して頂く事が決まり私はルンルンだ。
出来上がった物を夜会に付けていくのが楽しみだ。
私達の愛の匂わせ……最高だわ。
匂わせは嗅いだ方が悪いんじゃないですか―――とか言う人もいるらしいけど、旦那様に色目を使う女達に肺の髄まで吸って頂きたい。
旦那様はお位の高い方―――愛人で良いから甘い汁を吸いたい、ナンテ女もきっといるわよね。
旦那様は私の食事管理のおかげか少しシュッと致しましたし?
あんなに熱烈にお口を吸って時間が許す限りまるで砂糖菓子の様に私の体を愛して下さる。―――嗚呼、旦那様に嫁いで良かった。
社交界の噂で、エリオット様は正式にハンナと婚約して周りの方々もブイブイ言わせているらしいですけれど関係ない。
夜会ではあの方々や『私』に責任を押し付けて知らん振りをした令嬢とも会うだろうけれど私はもう『公爵夫人』―――大人なのだ。
もう何とも思ってないわ。
否、むしろちょっと感謝している位なの。
だってあの断罪イベントがなかったら私は旦那様と出会えなかったんだから。
嗚呼ン旦那様……夜が待ち遠しい。
早く旦那様と褥で二人きりになりたい。