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ロドスの日常[方舟]

第25章 いつメンにグレイがやって来た!


「ちょっと大人しくしてて」
「このくらい大したことはな……」
 すぐそこで、いつもの二人がケンカをしていた。サイレンスが、サリアに何か検査をしようとしていたようである。
「どうかしましたか、サイレンス、サリア」
 私が声を掛けると、サイレンスは首を振った。
「ううん、なんでもないの。ただちょっとこの人が大人しくしないから」
「私は自分で採血をしようとしていただけだ」
 そこにサリアの冷静な声が飛ぶ。サリアはあちこちの作戦で戦隊に編成されること多い。つい先程までの作戦で怪我でもしていたのかもしれない。
「あの、この方々は……?」
 と後ろからグレイが聞いてきた。私は咳払いをした。
「こちらの方がサイレンス、そしてこちらはサリアです」私は彼女たちを紹介した。「今回の任務で参加するグレイです」
「よろしく、グレイ。このサリアって人の言うことはあまり信じなくていいから」
 グレイに対して優しく微笑むサイレンスは人当たりが良さそうに見えた。サリアにもそのような笑顔で接して欲しいとは思うが、人の感情というものは一定でいられないのは確かだ。
「サリアだ。よろしく」
 一方、サイレンスに散々なことを言われても顔色一つ変えないサリアはありとあらゆる一面で強靱である。それが彼女の盾を強くするのだろうか。
「……二人は仲が悪いように見えますが、連携が素晴らしく信頼の置けるオペレーターです」
 先程のケンカを見て不安になっただろうかと私はグレイに小声で耳打ちをした。グレイの目は相変わらず輝いたまま頷いた。
「ドクターが編成してくれた戦隊ですから、きっとすごいんですよね!」
 ああ、このグレイなら大丈夫そうだ。私は頷きを返した。
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