第1章 悪霊がいっぱい!?
「……キレイなコだよね……」
真砂子は確かにキレイなコ。
そのせいなのか恵子達はしょぼんとしてしまっている。
別にナルぐらいで落ち込まなくてもいいのにと思っていれば、麻衣は同じように思ったのか恵子達を慰めようとする。
「あっ!べ、別にいいじゃんあんなヤツー!ウラ表はあるしウソつきだし口は悪いしナルシストだし」
「そうそう!いい所なんてないんだよ!?」
「でも顔がいいもんっ!」
1番はそこなのか。
あたしと麻衣は呆れてしまっていて、不意に後ろを振り向くとそこには黒田さんがいた。
彼女はあたしと麻衣を見ていたようで、目が合ってしまうが彼女はすぐに何処かへと行ってしまった。
「ねえ、今日よく黒田さんと目が合わない?」
「あう。というか見てきてるよね……」
「まさか、仲間に入れてだなんて?」
「まさかあ……」
その後も何回か麻衣の教室に行った時や、友達と廊下を歩いていた時に黒田さんからの視線に気が付いた。
なんだろうかと学校終わり、旧校舎に向かいながら麻衣と話して歩いていく。
「こんちはーっ!」
「来ましたよー、ナルー!」
元気よく声をかけて教室に入ると、まさかの客人に驚いてしまった。
「く、黒田さん……?」
「……なにしてるの?」
「別に……見に来ただけよ。渋谷さんはいないのね」
「そー、みたいだね」
車の所にもいなかったから、教室にいるのかなと思ったけれどそれも違ったらしい。
「ね、昨日どうだった?」
「どうって別に……ナルは異常なしだって」
「特になんともないらしいよ。あ、黒田さん。それ触んない方がいいよ。ナルがすっごい怒る」
あたしの言葉に、機材に触れようとしていた黒田さんの手が止まった。
「他には?」
「……巫女さんが教室に閉じ込められるって事件があったけど心霊現象かどうかは意見が分かれてる」
「なぜ?」
「……霊媒の人がここに霊なんかいないって」
真砂子は昨日きっぱりと言い放った。
ここには霊はいないと……だが、ぼーさんと巫女さんはいると踏んでいるようだ。
「霊媒って原真砂子でしょ?あいつニセモノよ」
「「はあ!?」」
「ちょっとキレイなんでTVでチヤホヤされてるだけでしょ。霊能力なんてないわ。……霊はいるわよ……強い霊が……」