第4章 放課後の呪者
「そうだよ!あたしと麻衣に超能力なんて……」
叫んだ瞬間、ナルに冷たい瞳で睨まれた。
これは逆らってはいけないと瞬時に理解し、あたしと麻衣は機械の前にお行儀よく座る。
やればいいんだろう、やれば。
そんな事を思いながら、二人揃って適当にスイッチを押した。
「これかな」
「これ……かな……」
だが、押したスイッチとは別の場所にライトがつく。
「ブーッ!うはははは」
「あらあら、ザンネーン」
「つぎ、いってみよー!」
他人事だと思って、ぼーさんと綾子は楽しんでいる。
それに苛立ったあたしたちは勢いよくスイッチを押していくが、全くもって当たらない。
数時間後。
ようやくテストは終わったあたし達は、疲労困憊であった。
「……おー、スッゲー。二人揃ってぜんっぶスカ」
そう、あたしと麻衣は全部スカだったのだ。
一つも当たりやせず、疲労困憊で息切れまで起こしている。
「なんだよー!」
「だからいったじゃないさー!」
「出来るわけないじゃん!?」
口々文句を言っている間、ナルはデータが書かれた紙を眺めていた。
「……やはりな」
「「あ?」」
「麻衣と結衣は潜在的にセンシティブだ」
ナルの言葉に綾子が可笑しそうに笑う。
「センシティブぅ?結衣と麻衣が!?『こまやかな』『感受性の強い』!?」
「『センシティブ』、サイ能力者、ESP、超能力者」
「「……ええっ!?」」
ナルの言葉に、あたしと麻衣は顔を見合せて叫んだ。
「どうりで馬鹿のわりに鋭いと思った。今回、二人揃ってへんなカンを発揮したのも偶然じゃないかもしれない。千回のランに対してヒットがゼロ。千回ぐらいやるとほぼ正解率は確率どおりになるはずだ。確率は四分の一、二十五パーセントはあたって当然なんだ。これより多くても、少なくても普通でないことになる」
「じゃあ、なに!?結衣と麻衣は超能力者だってこと!?」
「そういうことになるかな」
あたしは唖然としていた。
だって、自分と麻衣が超能力者なんて思ってもいなかったからだ。
「だったら、なんでいままで役立たずだったわけ!?」
「イヤ、結衣と麻衣はするどいと思ってたぜー、おれは。前回の森下事件でもへんな夢見てっだろ。ホラ、井戸に落っこちたときにさ」