第3章 episode3
― 爆豪 side ―
「そろそろお開きにしますか〜」
ヘラ鳥の声でみんなが財布を取りだし金を出すと
「今日は気分がいいから俺の奢りだ!若きヒーロー達よ!明日からもこの世の平和の為によろしく頼むぞ!なー!ホークス!」とエンデバーが豪快にガバガバと笑いながらホークスに自分の財布を出させて会計を済ませた。
「こー親父が言ってんだ。今日はみんな奢られてやれ。」
「悪いな」
「かたじけない」
「エンデバー、ご馳走様です!」
「あんがとよ」
「えんればーしゃんっ!ありがとーごじゃましゅ!、」
おい…こいつ大丈夫かよ。さっきから飲みすぎてんなとは思ったが…。
明らかに呂律の回ってないにやけに色気を感じて眉間にくっと力が入る。
ワラワラと店を出ると、ホークスは「ショートくんとエンデバーさんを送って帰るね」といってタクシーに乗り、鳥頭はそのまま飛んで帰った。
出久は丸顔の家に行くらしい。できてたんかあいつら。
『ばくごーせぇんぱぁい!』
呂律の回ってない甘ったるい声で俺を呼ぶ猫は俺の右腕にガッツリしがみついて離さない。
そして潤った瞳と上目遣いで俺の瞳を捕え「帰りたくなァい」と言う。
「っ…」
やっべぇ。クソ可愛い。
「…じゃ、あとは若いもの同士楽しめ。俺は帰る。」
そう言ってイレイザーは俺らに背を向けて繁華街の方へ消えていく。
俺の胸の中にいるそいつは、ギュッと俺の服を掴んだ。
…ったく分かりやすいんだよテメェは。
「行くぞ…」
『ぁ…』