第5章 嫉妬
タオル等を置いて副隊長室に向かう。
最近、人前でよくくっつくようになったなあと、大胆になった彼を思う。
たぶん、私たちの関係がバレてしまったからだろう。
声をかけて副隊長室に入ると目の前に彼がいて、扉を締めながら抱きついてきた。
前言撤回、人前だけじゃなかった。
そのまま抱きかかえられると、机の上まで運ばれた。
また机の上に...ここ座るとこじゃないんだけど...。
「今日こそ吐かせるでぇ。」
うっ、可愛い...。
私の胸に顎を置いて上目遣いで見てくる。
抱きしめ返したくなる欲をなんとか抑えて、これから来るであろう質問にどう答えようか考える。
彼からの質問は予想通り、相模原でのことだった。
何故あんなことをしたのかを聞かれるが、やはり良い躱し方が思いつかず言い淀む。
8号が攻撃をしていないように見えたので庇ってしまった、と言ったが、攻撃をしていなくても怪獣を庇ってどうするのかと聞かれてしまった。
「8号による人的被害は出ていないので、他の怪獣とは、違う、と思います......。」
だんだんと歯切れが悪くなってしまう。
そんな私を少し睨むと、じゃあなんで命令を無視したのかと聞かれた。
大怪獣相手だったので怖くなって...と言ったら、溜め息を吐かれてしまった。
私が言っていることは、矛盾してなくもない。
8号は攻撃をしていないので庇ったが、彼が大怪獣と戦って怪我をするのが怖かった。
「ほんまのこと言ぃ。言わんと、泣いてもやめへんで。」
服の上から胸を持ち上げるように柔く揉まれた。
その刺激に身体をビクッと震わせる。
それもう、ほぼ拷問...。