第25章 とある一週間✿番外編
刀を左右の腰に帯刀し、怪獣を探す為跳び回る。
すると、ブーンと羽音みたいな音が聞こえてきた。
もしかして私は虫!?
虫は嫌だが、音がする方へ急いだ。
怪獣の姿を確認すると、蜂だった。
余獣のくせに、普通に私より大きいな…。
余獣の元に跳び、そのまま二刀を振り下ろして三枚おろしにした。
その後も余獣を倒し続け、余獣がいなくなったようなので本獣を探したが、どうやら目の前にいるようだ。
巨大な蜂の巣がある。
たぶんいるのは本獣だけだろう。
女王蜂か。
本獣を確認せず、その蜂の巣を切り刻んでいく。
大きすぎるので切り刻むにも時間がかかる。
ドロっとした液体が身体中について重い。
恐らく蜂蜜だろう。
垂れてきた液体が口に入り、甘さが広がる。
え、どうしよう…美味しい。
蜂の巣を跡形もなく切り刻み終えると、蜂の肉片や体液等が蜂蜜や巣だったものに混じっている。
本獣生命反応、完全に消滅!という小此木さんの声に胸を撫で下ろす。
この刀…少し重いけど、扱いやすい。
手に持った刀をじっと見つめてから、オペレーションルームに戻ろうとしたが、自分の身体をもう一度見直し諦めた。
こんな蜂蜜だらけでは戻れない。
「花村、そこでちょっと待っとれ。」
通信機から副隊長の声が聞こえ、その言葉に了と返し、その場に留まる。
なんだろう、早く洗い流したいんだが…。
刀にもどっぷりついてしまっている。
腕を上げて手についた蜂蜜を舐めると、美味しすぎて止まらなくなりそうだった。
というか、止まっていないが…。
手をペロペロと舐め続けていると、身体が熱くなってきたが、そのまま舐め続ける。
何故熱くてなっているのかはわからないが、もっと欲しくなる。
もしかして、普通の蜂蜜ではないのか?
「美味いか?」
「そ…副隊長…。」
いつの間にか目の前に来ていた副隊長に視線を向けながら、自身の手を舐め続ける。
すると、その手を取られ指に舌を這わせられた。
舐めて味を少し確かめると、指をそのまま口に含み舌を這わせてから、蜂蜜を絡め取りながら離れた。
「はよ、洗わんと…。」
そのまま腕を引っ張られ、副隊長の速さで訓練場の入り口に向かうので、ほぼ引き摺られているような形になってしまっている。