第20章 結婚
街中を歩いていると、少し視線を向けられている気がして周りを見てみると、女の人たちが宗四郎を見ていた。
わかる…見つめたくなるのはわかる。かっこいいもん。
「なぁ、これかけてや。他の男共が君のことばっか見とる。」
サングラスを手渡されて言われる通りかけたが、これが必要なのはあなたでは?
いや、宗四郎のかっこよさは、こんなサングラス如きじゃ隠せないか。
レストランに着くと、そこまで高級という感じでもなくてファーストフード店みたいな感じでもないので、とてもいい雰囲気だった。
ドレスコードはあるようだが、普通に入れたので大丈夫なのだろう。
運ばれてきた料理はどれも美味しくて、ほっぺが落ちそうだった。
「ははっ、可愛ええなあ…ほんまにええ…。」
あまり大きな反応は見せていなかったのだが、彼にはそれが可愛く見えたようで、ニコニコと笑っている。
恐らく、料理の横に置かれたワインのせいだろう。
私は弱いので外では飲まないことにしている。
食べ終わり外に向かう彼にお会計は?と聞くと、どうやら私がお手洗いに行っている間にすでに済ませたようだ。
この場合って私は払わなくていいってことだよね?
誕生日だし…。
逆に出したらいけない気がしたので、気にするのはやめて、宗四郎の手を握った。
最寄り駅について歩いていると、突然彼が立ち止まったので顔を見る。
「なぁなぁ、今日もうちょい飲んでええ?」
コンビニを指差して言っているので頷いた。
普段あまり飲めないのだ、飲める時に飲んでもらって構わない。
たぶん、明日も飲むと思うけど…。
というか、明日はさすがに私も飲んだ方がいいんだろうか。