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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第16章 10号


副隊長、解放戦力48%と小此木さんの声が響く。

それに対し私は87%。

記録更新だ。


まだこのスーツを着たばかりだと言うのに、ここまで戦力を解放出来るなんて…。
私、結構すごいのかもしれない…等と自惚れてはいけない。


「あかんやん、僕じゃ相手ならへん。おい、10号。美影、本気やで。ええんか、死ぬで?」


「保科!俺に合わせろ!」


「せやから!使うんは僕や言うとるやろ!…クソっ。」


刀を逆手に持った時に人差し指がトリガーに引っかかる。

そのトリガーを引くと、キィィイイインと耳障りな音が鳴り、刀身が震えて重くなった。

刀身が余計固くなり重くなって、威力を増すなのだと言う。

先程、小此木さんに教えてもらった。


順手持ちの時は小指でトリガーを引くことも出来る。


刀伐術を駆使して攻撃を繰り広げていくと、宗四郎さんも技を発動していることもあり、止まることなく轟音が鳴り響く。


『駆動限界です。』


力が出なくなり床に座り込むと、スーツがそれを伝えた。


「後は午後にしよか。ナンバーズは続けて使用し続けたらあかん。」


死ぬかと思たわあと笑いながら差し出してくれる彼の手を取り立ち上がる。


入り口に向かう彼についていく為に足を踏み出そうとしたらフラついて倒れそうになってしまい、10号がしっぽで受け止めてくれた。

気が付いた宗四郎さんもすぐに肩をかしてくれる。


そのまま肩をかりながらスーツを保管している部屋について、椅子に座らせてくれる。


「自分で脱げるか?」


そう聞きながらも、スーツに手をかけ脱がしてくれる。

だが、すぐにその手を引っ込めた。


「ちょっと待っとれ。先に僕が脱いでくる。いくら怪獣でも、君の身体は見せらへんっ!」


そう言うと、走って部屋を出ていった。


なんであんな元気なの…。

私は駆動限界だと言うのに…。


腕を動かすこともままならない。


それでもなんとか刀を腰から外し、ケースに入れて閉じる。

力尽きて、ケースを置いている台に腕を乗せて蹲った。


「美影!大丈夫か!?」


私の脇の下に腕を入れて持ち上げ、椅子まで連れていき座らせる。


保管室、一緒にしてもらおうと彼が言った。

いや、私の身体見せたくないって言ってたけど、それだと10号に見られるんじゃ…。

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