第16章 10号
見るなと言われたので、汚れた彼の陰部をティッシュで拭いて綺麗にする。
ズボンと下着を脱がせて布団を掛けてから、ズボンが濡れていないか確認すると濡れていなかったので、ズボンはそのままランドリーバッグに入れて、洗面台で下着を洗う。
大丈夫だろうか…今にも泣き出しそうな彼を思い出し心配になる。
そんなに嫌だったのかな…私は全然気にしていないんだけど…。
寧ろ、嬉しかった。
夢の中でも私を求めてくれているんだ…って。
「ありがとう…。」
ジャージの裾を掴まれたので振り向くと、そっぽを向いたまま呟いている。
「うん、シャワー浴びておいで。」
可愛いなあと思い、微笑んで返す。
シャワー室に入っていく彼を見届けてから、精液を洗い流した下着を洗剤を使って洗っていく。
今、洗濯しても取りに行くことが出来ない為、手洗いして部屋に干しておこう。
夜に洗濯しに行くとしても、濡れた状態にしておくとダメかもしれない。
洗い終わり一旦洗面台に掛けておく。
宗四郎さんがシャワーを浴び終わったら、シャワー室に干そう。
水が垂れるかもしれない。
彼が出てきたのでシャワー室の扉を開けとくように言って近付き、頬を撫でておはよと笑いかけた。
「あ…はよ……パンツ、ありがとう…。」
私は目を合わせているつもりだが、恐らく彼は逸らしているのだろう。
閉じているようにしか見えないのでわからない。
私がこのままここにいたら宗四郎さんが動かないので、私は部屋に戻った。
早く拭かないと風邪引いちゃう。
下着だけを履いて戻ってきた彼に、お腹空いたから残っているものを食べていいか聞く。
宗四郎さんは食堂で食べるだろうから、私だけ食べることになるのだが…。
食べてもいいと言われたので、下着をシャワー室に干してから、袋を漁りパンを取り出す。
チラッと彼を見ると、ベットに座ってずっと俯いたままだ。
いつもあんなに恥ずかしいことをしているのに、この前だって電話をしながら自慰をしていたのに、今回のことがそんなに恥ずかしいのだろうか。