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あの日あなたに恋をした【怪獣8号:保科宗四郎】

第16章 10号


目が覚めてヘッドボードの上の時計を確認すると、まだ5時を少し過ぎたところだった。

やはり、先程寝たこともあってあまり眠れなかったらしい。


宗四郎さんの腕の中からそーっと抜け出し、シャワー室に向かう。

もう眠れそうもない。


勝手にいろいろ使わせてもらって部屋に戻る。

ドライヤーはやめておこう。宗四郎さんが起きるかもしれない。


机の上にある下着を取ってつけ、少し屋上にでも行こうと思いスマホを取って、起こさないように1枚だけ写真を撮って、彼の上着を貸してもらい屋上に向かう。

宗四郎さんが起きたらたぶん連絡してくるだろう。
その為にスマホを持った。


屋上に出ると、心地いい朝の風が頬を撫でた。


基地、結構復旧してるなあ。
あんなにボロボロだったのに…。

短期間にいろんなことがあったなあと思いに耽る。

あの日、私を助けてくれたのが宗四郎さんで、本当によかった。

でなければ、今まであったことは全て私にとっては無縁のものになっていただろう。


髪も乾いてきたので部屋に戻り、鞄の中からコームを取り出して髪を梳いていく。

すると、ジャージの裾を引っ張られる感覚がして振り向くと、宗四郎さんが腕を伸ばして引っ張っていた。


「おはようさん。どっか行ってたん?」


もしかして、戻ってくる前から起きていたんだろうか?


「おはよう。屋上に行ってたの。まだ寝てなくていいの?」


「ん。来てや。」


腕を広げているので、たぶん抱きつけということだろう。


コームを置いて近付くと、手を引っ張られてそのまま私を身体の上に乗せて抱きしめ静かになった。

このまま寝ようとしてる?
さすがに重いだろう。


名前を呼びかけても反応がない。
本当に寝たのか?


腕の締めつけが緩くなり抜け出そうとしたが、動く度に身動ぐので諦めた。

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