第15章 不信
そのままチョコレートも2人で全部食べて、シャワーを浴びてきてもいいと言うので浴びさせてもらい、戻ってくるとベッドの上でスマホを弄っている彼の頭にキスをした。
すぐに顔が上がって顎にぶつかるかと思った…。
そして、スマホを投げた。
着地したのがベッドの上だったのでよかったが、なんてことをしてるのだ。
「宗四郎さん、スマホは投げちゃダメだよ…。」
「そんなんどうでもええ。もっとちゅーしてや!…もう怒っとらんの?嫌なこと全部言い?治すから!美影が嫌がることもうせぇへん!やから、ずっと僕のこと好きでおって…。」
お腹に抱きつかれ、グリグリと頬を擦り寄せてくる。
全部と言われても…ほとんど全部言った気がする…。
「え、えっちする時…すぐに挿れないで欲しい…。もっといっぱい触れ合いたい。さっきは時間がなかったからだと思うけど。」
えっちをすることばっか考えないで。話をしたいと言ったらちゃんとして欲しい。
あと、なんでも思い通りになると思わないで、と結構きつく言ってしまった。
全部言ったと思ってたけど、泣きながら言ったことは伝わったかわからないのでもう一度言った。
彼は目を開き、私の目を真っ直ぐ見て謝る。
「それと…えっちばっかりするから、そういうことだけしたいのかなって…私自身のことはもう好きじゃないのかなって……。」
「好きやよ。美影が甘えてくれるん好きやし、僕の隣で戦いたいって一生懸命努力してるんも好き。僕の為に苦手なことしてくれるんとこも、結構嫉妬深いとこも、笑うてるとこも、真剣な顔してる時も、ほんまは泣かせたないけど、泣き顔も堪らん。美影の全部好きや。」
美影とセックスするん好きやけどセックスだけしたいわけやなくて、君やから抑えられんくなってまうと笑う彼を見て泣きそうになった。
私、こんなにも彼に愛されてるんだ。
大好きな人にこんなに想われてるんだ。