第10章 第1部隊
スマホの向こうからいつから聞かれていたのかと言われたので最初からと答えたら、言うてくれやとボソッと呟いた。
「保科副隊長、私も…。」
キコルちゃんが恐る恐る手を上げる。
見えていないのに…。
「なんや、四ノ宮もおるんか……美影〜僕めっちゃ恥ずいやんかぁ…。」
少し拗ねたような声を出された為、ごめんねと謝った。
色々みんなの前でしてきたが、これは恥ずかしいのかとおかしくなって笑ってしまう。
「なんで笑うてるん?笑わんといて…。」
笑いながら謝り、鳴海隊長になんの用なのか聞く。
「オカッパと細目は今後一切、美影と人前でいちゃつくな!」
なんでそんな言い方をするのか…。
普通に保科と呼べばいいし、撮られたからと言えばいいのに。
すぐに私が詳細を伝える。
すると彼は謝り、全然気付かなかったと言うので、私が悪いのだと謝った。
実際全部、私からしたのだし、後先考えずあんなことをしたから撮られてしまったのだ。
お互い謝り続ける私たちに呆れた2人は、興味がなくなったのか、鳴海隊長はスマホを取り出しエゴサをしているようだ。
ずっと文句を言っている。
キコルちゃんは鳴海隊長にずっと呼び出しがあると教えている。
2人はもう聞いていないと思い、宗四郎さんに時間は大丈夫なのかと聞くと、あと少しなら大丈夫だと言うので、ちょっと2人で話すことにした。
彼の声を聞いていると好きという気持ちが大きくなり溢れてしまう。
「好き…。」
「なんやもう聞こえてへんのか?僕も好きやで。」
途端に甘くなる彼の声。
スピーカーを切っておいてよかった。
もう誰にも聞かれたくない。