第7章 立川基地襲撃
「保科流刀伐術1式……空討ち!」
そう、保科副隊長の技だ。
本当は保科家ではない私に教えてはならない。
だが、例外で叩き込まれた。
あんな風に彼を避けていたのに、教えてくれたのだ。
私に教える為にお父様と何か約束を交わしたようだが、それは教えてはもらえなかった。
どうやら一発で怪獣は倒せたようだ。
てか私は、副隊長のところに行きたいのだ。
だが、未だ私への命令はない。
本獣と戦っているであろう彼に、私から連絡するのは憚られる。
私もみんなと同じように対余獣に専念するべきなんだろうが、隊長のあの命令もある。
常に副隊長と行動を共にするという…。
意を決して連絡を入れてみた。
「三浦か!なんや!」
「そちらに行ってもいいですか?」
「は?いい訳ないやろ!!」
やっぱりそうなりますよね…。
命令だし……。
「行かせてください。てか、行きます。」
「おっ、まえ…命令違反やぞ!どうなるかわかっとるんやろな!!もう僕は庇えへんで!」
すでに問題を起こしているのだ、さすがにもう副隊長でもどうにも出来ないだろう。
一度庇ってもらっているのだ。いや、二度か?
副隊長を信じることにしよう…。
「……余獣は全て、私とキコルちゃんで倒します。」
「不服そうやな。任せたで!」
私が了と答えると通信は途切れた。
私がもっと強ければ…83%を維持出来れば…。
そんなタラレバを妄想する。