第6章 慰労会
通常の訓練を終え、その後ほとんどの者が残り、トレーニングルームで筋トレを行う。
スピンバイクに乗っていると、出雲くんが話しかけてきた。
後ろには神楽木くんもいる。
この2人ということは…。
「昨日はごめんね。見るつもりはなかったんだけど…。」
全然大丈夫ではないが大丈夫と出雲くんに答えた。
すると、突然出雲くんが顔を近付けてきて、耳元で囁く。
「三浦って、副隊長の前だとあんなエロいんだ?」
神楽木くんがすぐ離してくれたが、言われた内容に顔が熱くなる。
そんな私を見た出雲くんは意外とウブなのかと笑う。
出雲くんってそんなキャラだっけ…?
「ハルイチ、お前…副隊長にバレたら……。」
「僕にバレたらなんやって?」
突然聞こえた声に2人は顔を青くした。
私は、絶対に赤くなっているだろう顔を見られない為に俯いた。
だがすぐに顎を掴まれ戻されて、赤紫の瞳に捕らえられる。
「お前ら、美影に何した?」
やばい...バレたら出雲くんが危ないかも。
宗四郎さんは振り返り2人の方を向く。
彼の腕を掴み何もないと言うが、信じてもらえなかったので、引っ張って背中に抱きついた。
「宗四郎さんのことを話してたんです…。」
嘘ではないはず…。
たぶん彼は、私が何を言われたかなんとなく気付いていると思うが、私が隠すのでそれを信じ、2人にあんま近付かんといてなーと軽く言って、2人を解放する。