第6章 慰労会
太腿でじっとしているので、彼に構わず美味しそうなご飯を食べた。
どれも高級食材なのだ。食べなきゃ損というものだろう。
小此木さんに副隊長は寝たのかと問われたので、顔を覗き込むと、目が開いていた。
いつも糸目なのに何故開いているのか気になって、その視線を追うと、私の胸を見ていた。
触られそうで怖い...。
小此木さんに一応起きてますと答えて、また高級食材に手をつける。
「太るで。」
下から聞こえた言葉にちょっとイラッとしたが、無視をして食べ続ける。
酔っ払っている彼なら無視しても大丈夫だろう...。
無視していることにイラついたのか、胸を下からつつかれた。
彼の方を見ずにその手を押さえる。
「構ってや。」
私には構ってなかっただろう...。
とりあえず満足したので箸を置いて、副隊長の顔を見る。
すると、機嫌がよくなったのか、パァと表情が明るくなった。
彼の手を抑えていた手に指を絡ませられ、恋人繋ぎのようになる。
へへっとなんともだらしない笑顔になる副隊長を見て、酔っ払った彼は危険だと察した。
いやでも、酔い方は私とあまり変わらないかと考える。
それから少し経ち、横になっていたので楽になったのか、立ち上がってお開きだとみんなに伝える。
すぐにしゃがみ込んで私の肩に頭を乗せたが...。
「やばい...めっちゃ気持ち悪い......。」
顔を青くしている彼を支えてお店の外に出る。
ずっと頭を抱えたままだ。痛いのだろうか?
このまま彼を支えて基地に戻るのは無理だと思い、近くにいた神楽木くんに声をかける。
やばい、めっちゃ気まずそうだ。
ごめん、近くにいたから...。
だがもう声をかけてしまったので副隊長を預けようとしたら、私がいいと言って離れない。
副隊長の威厳はどうした...。
酔いは醒めてるはずなんだけど...。
先程よりも私に預ける身体を起こし、少しでも自力で歩こうとしている。
だがすぐに気持ち悪いと言って、私の肩に寄りかかった。