第6章 慰労会
「お前ら...わかっとるんやろな。今、見聞きしたこと全部忘れや。」
え?なに?
その瞬間、男の声が2つして、足音がしたかと思えば、遠ざかっていった。
え、見られてた?うそ......。
どうやら彼は、私が果てる直前から気付いていたらしい。
何故やめなかったのかと問えば、やめたら怒るやんと言って笑った。
宗四郎さんはベルトを締めると、一緒にトイレに向かった。
私はあそこを拭いてからうがいをし、彼は手を洗ったようだ。
2人で部屋に戻り、先程の女性を見るとまだ顔が青ざめている。
そして、あの男2人は誰かと視線を巡らした。
とある2人が気まずそうに顔を逸らしている。
出雲くんと神楽木くんだった。
まさかあの2人だとは...。
何もなかったかのように自分の席を目指す彼の後をついていった。
その後はお酒は飲まなかった。
先程の状態を見たからか、副隊長も飲ませては来なかった。
そのかわり、副隊長が相当飲んでいる。
「副隊長、そんな飲んで大丈夫なんですか?」
「さっきまで宗四郎さん言うてたやろ〜。宗四郎さん呼んでやぁ...。」
これは...とても酔っているようだ。
久しぶりに飲んだからか、止まらないらしい。
思いっきり私に体重をかけてきていて、すごく重い...。
彼は細身に見えるが、実は筋肉がすごくて結構重いのだ。
耐えきれずに後ろに身体を動かすと、肩から滑り落ちて太腿についた。
どうやらさっきとは立場が逆転したようだ。