第1章 私の恋 夏油傑 (出会い編)
あの後も何度か呪霊の訓練に付き合ってくれて、組み手もしてくれた。
「はぁ…もう、二年生のお二人はおっきいから大変っ!」
私はへばって、大の字で寝転がった。
「でも、この前の悟の助言、改善してるじゃないか。」
「あ!わかってくれました?意識してるんです。」
「スピードプラス、柔軟もしてごらん?」
「私固いですか?」
「そこまでじゃないけど、やっぱり身体が女の子な分小柄だから、柔軟に避けられたらそれが強みになると思うよ。」
ーー…柔軟か。
私は開脚をし、手を伸ばし上半身を倒した。
ぴったりと胸が床につくわけではない。
「んー、もっと柔らかくかー。トレーニング頑張ります。」
私がぐっと握り拳をつくると、夏油先輩は笑って私に手を差し出した。
その手を取ると、くっと引っ張って立たせてくれた。
「さ、今日はこのくらいにしておこう。」
「はい、ありがとうございました。」
「夏油先輩は呪霊を取り込む条件ってなんなんですか?」
「私は私の二等級下の呪霊は無条件で取り込める。他は調伏の儀が必要だね。さんは自分の血液を飲ませないとダメなんだっけ?」
「…そうなんです。しかも相手の体の一部。毛でもなんでもそう言ったものを私も体内に入れなきゃいけないんです。上の等級はホント難しくて…。」
「確かに困難だね。」
廊下をあるかながら、私たちはまた呪術について語り合っていた。
「私の血を飲ませるのが…、この前本を読んでたんですけど、あんまりいい記述なくて。」
「何かいい手がないか私も考えておこう。」
「ありがとうございます。私ももっと本を読んでヒント探してみます。自分のことだし…。あ、そうだ。」
「ん?」
私は夏油先輩の腕を引いた。
「私の部屋少し寄ってくれませんか?」
「…は?」