第1章 私の恋 夏油傑 (出会い編)
「せんぱーい…」
私は硝子先輩をみた。
「ごめんて。たった一杯でこうなるとは思わないじゃん?」
「そのまま寝かせとけよ。すぐアルコール抜けるだろ。」
デザートの甘いプリンを食べながら白髪男が言った。
プリンがあまりに似合わなくてびっくりだ。
でも、甘いものは羨ましい。
「何欲しいの?ほらあーん。」
私の視線がプリンに向いてるのに気付いたのか、にやにや笑いながらスプーンを差し出してくる白髪男に私はふんっと鼻を鳴らした。
「いりません。」
「照れんなよ。」
「何に照れるのかわかりませんけど。え、自意識過剰。」
「ホントムカつく女だな。」
私はべーっと舌を出してやった。
「あんたたち本当仲良いわよね。」
「よくありません!」
「ねぇよ。」
声が重なり、それもなんだか気恥ずかしくて、私は誤魔化すように上着をぬいでななみんのお腹にかけてあげた。
「あー、甘いもんたりねぇな。傑なんかあるー?」
「お菓子なら一年たちが買ってきてくれてるよ。」
「ケーキとかなんかそう言うのがいいな。」
ゴソゴソと私たちが買ってきたコンビニ袋を漁りながら、白髪男は言った。
わかる。今はポテチとかよりケーキとかシュークリームとかそう言ったものが食べたい気分だ。
「私とゆうで買ってきましょうか?」
これだけ食事を用意してもらったんだから、行くことには抵抗はなかった。
少し驚いた顔をした白髪男は、何かを考えたあと、にんまりと笑った。
「ゲームしようぜ。負けたやつが買いに行く。」