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【呪術廻戦/五条】嘘がつけない

第21章 もう一度貴方と(番外編3の3)



私はいまだに呼吸が治らず、目を閉じ、震えていた。


「ハクやの呪霊たちが僕のところに来て教えてくれた。」
「あの子たちが…」
「ほら。」


わらわらと、五条さんの肩や膝にちっこい呪霊が出てきて、私の方にとことこ歩いてきた。
私は手を伸ばし、ぬめぬめとした呪霊を指先で撫でた。

「ありがとう…五条さんを呼んできてくれて…ありがとう。」
「あれ?五条?悟って呼んでくれないの?」


「あっ……えっと…」


私は破れた服を隠すように、肩にかかった五条さんの上着を手で押さえた。


記憶は完全に戻ってる。

全部思い出した。



だけど、じゃあ“今から恋人戻ります”とは、なんか違う気がした。


忘れてしまって酷いことをたくさん言ってしまったし、五条さんが待っていることも知ってる。

きちんと伝えないと。


私はおでこを五条さんの胸にあて、寄りかかった。



「とっさに五条さんの名前呼んでました。でも、本当に来てくれた…ありがとう。助けてくれて…。」
「もう少し早くにきたかった。」

五条さんは私の頬に手をやり、上を向かせると、少し切れてしまった口の横を指先で撫でた。

私はその手に自分の手を重ね、首を振った。


「これだけで済んだから…だって……その…、桜子さんと結婚しないためには子供を作ろうって言われたから…。」

ただ襲われたんじゃない。犯されそうになったのだ。


それを聞いた五条さんは口を開け、固まってしまった。


「は?」
「未遂ですんでよかった…五条さん、本当にありがとう。」


「いや。は?こいつ、そう言う理由で襲ったの?」
「は、はい。」


めちゃくちゃ怒ってるのが、私でもわかった。


「それで、服が…」

五条さんは私の破れた胸元に視線を向けた。


「こいつを総監部に返してくる。はここで待ってて貰える?すぐ帰ってくるから。」

五条さんが立ち上がろうとしたのを私は手を伸ばして引き止めてしまった。

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