第3章 確信
千明side
腰が抜けてしまった俺を佐野が部屋まで運んでくれた。
そのままベッドに寝かせてくれて「まだ退院したばっかだから無理はするな」と部屋を出ていってしまった。
今日は1日休みを貰っているらしく、家事は全てしてくれるようだ。
『好きだ』
あんなにまっすぐ告白されたのはいつぶりだろうか。
先輩も付き合う前にあんな風に告白をしてくれたっけ。
だからこそ裏切られたくない。
初めは好いていてくれても飽きるかもしれない。
都合のいい奴で終わるかもしれない。
それも俺が全部悪いんだろうけど。
もっと自分磨きして、魅力的になればあんな風に捨てられる事もなかったのかも。
まだ捨てられずに持っているリングもいい加減今回の事で懲りて捨てるべきなのは分かってる。
でも捨てられずにいるのはまだ思い出に浸っていたい、あの幸せだった日を忘れたくないから。
俺って本当に馬鹿だ。
これが良くないことだってわかってる。
本当にあの人のことが好きだったんだ。
「好き……か……」
まだ唇に感覚が残っている。
物凄く熱くて、正直興奮した。
あんなキスをされていた佐野の元恋人さんが羨ましい。
思い出すだけで恥ずかしくなってきて布団を頭まで被る。
返事、どうしよう。