第44章 G線上のアリア
仕事終わり。
待ち合わせの駅のロータリーに着くと、彼の車を探す。
世の中、白い車は珍しくない筈なのに、見慣れた彼の車はすぐに目につく。
車に小走りで駆け寄ると、椛の姿に気づいた安室が窓を開けて手で合図を出す。
運転席に座ったまま、助手席に手を伸ばすと内側からドアを開けた。
安室「椛さん、お疲れ様です♪」
椛「安室さん、お疲れ様です!
ごめんなさい、待たせました?」
すぐに発進できる様に、サッと車に乗り込み、助手席に腰を埋め、シートベルトに手をかける。
安室「いえ、今し方ちょうど着いた所です。
では出発しますね。」
椛「お願いします。」
そのまますぐ発進し、車はロータリーを抜けた。
安室「今日は講座じゃなかったんですか?
荷物が少ないですね。」
椛「今日は座学のセミナーだけだったから。
大きめの荷物はパソコンだけです。」
安室「そうでしたか…
椛さんの講義、いつか僕も聞いてみたいな〜♪」
椛「ええっ?
そうなんですか?
ちょっと意外…」
安室「いやぁ〜、仕事モードの椛さん、カッコ良さそうだなと思って。」
椛(そっち?)
椛「そんな…
普通に喋ってるだけだよ。」
安室「本人はそう思ってても、側から見たら違うかもしれないでしょう?」