第6章 ハスター 〜触手〜
「ハスター、たんまっ、むり…!!」
体を捩り逃げようとすると、触手が体に巻きついてくる。
「あぅっ」
口で息を吸っていたら、口の中に手を入れられた。
「はしゅたっ、やだこれ…」
指で舌をぐいと押される。
「がっ、んぅ〜っ」
『愛いな』
「あぁっぅっ」
ぐんと奥まで突かれると同時に、動きが止まる。
「ん…ぅ…」
『人の子、今宵はここまでにしよう』
手で目を覆われると同時に眠気が襲ってきた。
『後処理は我がする。ゆっくり眠れ』
その言葉を最後に、私は眠りに落ちてしまった。
ーハスター視点ー
「……快楽を求めているとは聞いたが…壊れてしまいそうな所を見ていると、これ以上は恐ろしいな」
すやすやと寝息を立てる。
最初はとんでもない新人が入ったと思っていたが、存外普通の人間だったようだ。
勿論とんでもないのは前提だが…。
会うや否や飛びついてきた例の占い師よりはマシに思える。
『んぅ…やだ…ドーナツ3つでいいよ……』
…夢の中は平和そうで安心だ。
そういえば、避けているのかは知らないが探鉱者と話している所を見た事がない。
……いけない、余計なことまで考えるのは悪い癖だろう。
しかし、睡眠を必要としないが故に暇を持て余してしまう。どうしてしまおうか。
隣には寝ているがいる。が、もうやりたい事は済んでしまった。
彼に知られたらどんな反応をされるだろうか。
いや、付き合っているわけでもなんでも無い関係の奴に口を挟まれる筋合いは無いだろう。
そもそもあっちはあっちでやる事はやっていた筈だ。こんなにボケボケ考えても仕方が無い。
『こんな時まで私の事を考えているのですか』
「…」
振り向くと、占い師が居た。
「……帰れ。が寝ている」
『久しく会いに来てみたら…貴方もこの子の良さに気付いてしまいましたか?』
「ただの興味だ。深い意味は無い」
『またまた…。……今度私の所にも来てくださいね♡』
「お前が来い」
くくくと笑うと占い師は部屋から出て行った。
はまだ眠っている。