第23章 本音
――虎杖悠仁side――
「アンタ、本当によかったの?」
「なにが?」
午後の体術訓練。
2年生の人たちと一緒なんだけど、その休憩中に釘崎が話しかけてきた。
遅れてきたは思い切り真希先輩たちにしごかれている。
それを遠目に見ていたら、隣に釘崎がやってきて今の会話である。
「のことよ。昨日、五条先生と何かあったわよ」
「え、なんでわかんの⁉」
「女の勘よ。あと、のオーラ」
すげえ。
それだけで何があったかとかって分かんの。
俺全然分かんないんだけど。
つうか、何かってなに。
「99%付き合ってるだろうな」
「うおっ⁉びっくりした……。驚かせんなよ、伏黒」
急に現れた伏黒に俺の心臓が飛び出すかと思った。
飛び出すのはあの時だけでいいって話。
ていうか、付き合ったのあの二人。
まじで?
「さっき五条先生を見かけたんだけど、すげえ浮かれてたから」
「いい歳した大人が浮かれてるとか気味悪いわね」
うげえと舌を出す釘崎。
二人の会話を聞きながら、チクリと心臓が痛んだ。
だからと言って俺が何かをするってわけでもないけど。