第16章 野球
「最後。7番外野手、夏油。私はそこまで長打は打てない。小技でなんとかって感じだから妥当だろう」
「よくこの短時間でここまで考えたな」
「オタク舐めんな。お前らの長所を見て判断した結果だ」
こいつらのいいところをどう活かすかを考えたら、なかなかいい打順じゃないか。
自分の才能が恐ろしい。
そんなことを考えていると虎杖やパンダ、野薔薇や禪院真希、狗巻棘がすげえニヤニヤと笑っていた。
気持ち悪。なんだよ。
「それより、もし東堂がピッチャーだったらどうするんだ。誰も打てないんじゃないか」
「いや、東堂をピッチャーにはしない」
「そう言い切れる根拠は」
「あっちに東堂の球を捕れる人間がいないからだ。だから東堂はキャッチャーまたはサードで来るだろう」
「そこまで考えてんのか~。やっぱは頭が良いな」
「いや、オタクなだけだろ」
伏黒に疑問に答えてやれば、虎杖は納得したように頷いた。
つうか、さっきから私のことオタクオタク言うな。
オタクだけど、連呼されると腹立つ。
「これで千葉ロッテマリーンズの優勝は確実だ。野郎ども!!死ぬ気で勝て!!!優勝は我らの手に!!!」
「「「「「おーっ!!(しゃけ!!)」」」」」
「……はぁ」
私たちはユニフォームへと着替え、グラウンドへと向かった。