第13章 狂愛
第二校舎へと続く渡り廊下を歩きながら、私たちは質問を重ねる。
「掛軸を捨てたりしなかったのは、小林茜の事を思ってですか」
「それもありますが、単純に怖い、からですね……。それを捨てたりしたら呪われるんじゃないかと……」
「この掛軸が見つかった時期は?」
「今年の3月です。生徒全員で校舎を大掃除していたら一人の生徒がそれを見つけました。そこからはもう、大騒ぎで……」
だろうな。
「お気づきになられたかと思いますが、あの掛軸は小林茜さん自身の血で描かれたものなんです」
「やっぱり……」
3人で顔を見合わせる。
私の顔がヤバいくらい青ざめていたため、2人は心配してくれたが、ここまで来たら最後まで付き合うさ。
「ここが美術室です」
案内された美術室は普通の教室よりも少しだけ狭いが、それでもしっかりとした設備をみると、ここの学校は美術や音楽などの教科にも力を入れていることがわかる。
「見付かったのは、あそこです」
指さす方向には乾燥棚と言われている、絵を乾かすためのラックが置いてあった。
あそこの裏にこの掛軸が。
でもなんであそこに置いたんだろう。