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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第5章 特級






夜の8時頃。
そろそろ帰ろうかという虎杖の言葉に私たちは頷いた。
お揃いのキーホルダーを買って、それをスマホにつけた。

五条悟にもなにか買っていこうと話す彼らを横目に、店の前で一人で待機。
スマホにぶら下がるそれをみて、自然と笑みがこぼれた。
楽しかった。
もっといっぱい遊んでいたい。
そんな思いが溢れる。

「お待たせー」
「じゃあ行きましょうか」
「そうだな」

ゲートの出口へと歩き、今日の楽しかった思い出を共有する。
はしゃぎすぎたのか、帰りの電車では私たち全員肩を寄せ合って寝ていた。

高専に着き、それぞれの寮へ戻ろうとしたとき。
虎杖が私の名前を呼んだ。

「なに?」
「えっとさ、うーんとさ」

呼び止めておいてなんだ、こいつ。
言いたいことがあるならはっきり言え。

「これ、夏油にあげる」

そう言って虎杖がポケットから出したのは、ぬいぐるみのストラップだった。
ねずみが両手を上げてウィンクをしている。

「なんか、俺に似てね?」
「……言われてみれば似て、なくも、ない」
「じゃあ、そういうことだから」

それだけ言って、虎杖は走って行った。
呼び止めようとしたけど、速すぎて呼び止めることができなかった。
あいつ足速すぎじゃね?
どんな脚力してんだよ。

手の中に納まるねずみに視線を移す。

【なんか、俺に似てね?】

さっきの虎杖の声が脳に響く。
少し照れたような表情をしていたけど。
……どういう意味?
似てるからなんだ。
それを渡して……どういうこと?

虎杖に考えがわからなくて、でももらったものだから部屋に大切に飾っておこう。
万歳してウィンクをしているねずみはどこか間抜けなような気がして、くすりと笑みを零した。



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