第1章 復讐
同業者の人たちに五条悟の居場所を尋ねると、呪術高等専門学校にいると言われた。
私はスマホを開き、位置を確認しウェストポーチをきつく締めその場所へと向かう。
いくら最強とは言え、隙がないわけではないだろう。
どんな相手も必ず隙はできる。
そこを狙えば勝てる。
既に私は改名した名前を捨てた。
私が私を守るためだけの名前になんの価値も無い。
今も昔も私の名前は夏油馨。
夏油傑のたった一人の妹だ。
高専の入り口に着いた私は、なんの躊躇もなく敷地内へ入ろうとした。
が、結界が張ってあるのかバチンっと音が鳴り拒まれた。
舌打ちをし、私はポーチの中から鍵を取り出し結果に差し込んだ。
「"破錠"」
鍵に呪力を込め回せば、結界は割れたガラスのようにバラバラと崩れた。
「五条悟!!出て来い!!」
高専の敷地内へと踏み込んだ私は思い切り叫んだ。
いちいち探すのは面倒だ。
ここで五条悟の名前を言い続ければ、バカな奴ではない限り事態の異常さには気づくはずだ。
それに結界を壊したのだから、侵入者を伝えるセキュリティが作動するはず。
呪術高等専門学校とのたまわっているのなら尚更。
私の勘はあたり、数分もしないうちに何人かの呪術師たちが集まってきた。