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人魚姫 【文スト/中原中也】

第7章 はじまり


夢のようだった、まさか両思いだったなんて、、、、。

何度も手話で好きだと伝える彼女を抱き締めた。

「すげぇ嬉しい、、、。俺も好きだ、。」

は何度も頷いた。

「。」

名前を呼ぶと顔を上げる彼女、目からは大粒の涙が再び流れていた。

不覚にも可愛いと思ってしまう、俺はかなり重症だろう。

そっと涙を拭ってやり、彼女に伝える。

「手前のこと絶対に離さねぇからな。」

『ッん////』

は微笑み、頷いた瞬間彼女の唇を今度は俺が塞いだ。

触れるだけの接吻を何度も繰り返し、彼女の存在を確かめた。

『ッんっ、、、んぅ///』

苦しくなってきたのか、俺の胸を叩く。
本当はもっとしたい、なんならその先までしてぇ、、、、。

そんなことを考えながらもなんとか理性を持ち直し、唇を離してやった。

そしてポケットから髪飾りを取り出し、髪につけてやった。

は目を大きく見開いた。

"これっ、、、、"

「落ちてたから。拾った。」

"ごめんなさい。"

「勝手に落ちちまったんなら仕方がねぇ。次からは気を付けろよ?」

は何度も頷いた。

気が付けば朝日が照り始めた。

やっと終わったのだろう。

も気付いたようで、暫く朝日を一緒に眺めた。

「綺麗だな。」

俺の言葉に頷く。

勿論朝日も綺麗だが、俺は違う。

「手前がな。」

俺の言葉に顔を真っ赤にするが可愛いくて堪らない。

そんなことを考え乍ら、ある疑問が生まれた。

「そーいや、なんで手前がここに?ってか手前異能力者なのか!?」

そう、ここにがいるということは彼女は異能力者ということになるのだ。

は少し困った顔をしながら、頷いた。

聞くとは怪我などを治すことができる、異能力を持っているらしいのだ。

なんと組合と戦ったあの夜、俺を治療してくれていたのはだったのだ。

通りで身体が軽かった訳だ。

「あん時も手前のおかげだったのか、、、ありがとな。助かったぜ。」

はにっこりと微笑んだ。


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