第6章 ※恋愛のカタチ

『だっ…大丈夫です…自分でできるので…』

俺の手を押しのけ、驚いて起き上がる沙良ちゃん。

「…………」


『…っ…ごめんなさい…』


「ふっ…あっはは。
沙良ちゃん、今の今まで俺たちエッチしてたんだよ……？雰囲気っ…」

『ごめんなさい…』

「ふふっ…謝らないでよ。
ごめん、沙良ちゃんがあまりに素に戻るのが早くて、おかしくなっちゃって…
こっち来て…沙良ちゃん。」

自身を拭き取り、裸のまま沙良ちゃんを抱き寄せる。

「体…大丈夫？」

『はい…どこも痛くないです…
でもちょっと眠い…です…』

「疲れたよね…寝てく…？」

『…っ寝ません…今寝ると私…多分何時間も寝ちゃうので…』



それって前のセックスの後の事言ってるの…？

モヤモヤとした感情が溢れ出す。
俺は沙良ちゃんを強く抱き締めた。

「沙良ちゃん…約束通り梅宮には沙良ちゃんの気持ちは言わない。」


梅宮が好きなんだよね。


俺とセックスしてまで黙っていてほしいと言った位だ。
確認するまでもない。

『…はい……お願いします…』

「だからさぁ、沙良ちゃん……」

『………？』



「またエッチしよ。」



にっこりと微笑んで言った。

『…っ……』

「俺としてどうだった…？気持ちよくなかった？」

うん、とは言わせない。
相当善がっていたもんね…

『気持ち……よかったです…』

頬が緩む。

とっさに口から出た言葉。

「こういうのはどうかな？
沙良ちゃんは俺に勉強を教える。俺は沙良ちゃんにエッチについて教える。もしかしたら将来、沙良ちゃんと梅宮は付き合うかもしれないでしょ？その時のために。」

『つっ…付き合うわけ……』

「俺思ったんだけどさ…
もし梅宮が沙良ちゃんに好きだって言ってきたら、どうするの？付き合わないの？」

十分にありえる話だ。
総代…梅宮の責任感…
色々考えると可能性は低いかもしれないが、勿論ゼロではないだろう。

『そんな……
それはありえないので考えるだけ無駄です…』

「わからないじゃん…
それに女の子がエッチだと、男は嬉しいもんだよぉ…？
知識があるって、無駄なことじゃないと思うけどな…」