第37章 FRIENDS
車高の高い車の後部座席にルフィとウタを乗せ、シートベルトしろよ、と扉を閉める。
「冷蔵庫になにがあったかな?メイン...お肉..鶏で唐揚げか豚でとんかつか...ウタちゃん揚げ物イヤかな...冷しゃぶかグリルにする?あっアジっ!あれ早く食べなきゃ。キャベツともやしでサラダ作って...卵、卵買ってかき玉スープにしよう。それでネギは終わる」
献立のシミュレートを口に出すジウの手を取る。
「あ、きのこ少し残ってるから炊き込みごはんにしちゃえ」
よし、と頷いて手を握り返してくるジウに微笑む。
いつものスーパーに寄ると、嬉しそうにジウの隣につくウタ。
その後ろをついて歩くシャンクスについて歩いていたルフィが、なぁ、とシャンクスの手を引く。
「お菓子買いたい」
「えっずるい!私も」
お菓子、お菓子、と騒ぐ2人に、わかったわかった、とお菓子が陳列された棚に向かう。
「小遣いの範囲で、今日明日中に食い切れる分だけだぞ」
「「はーい!」」
子供用の小さなかごを取った二人が、お菓子の棚をぐるぐる回る。
「ジウ、今のうちに必要なもの見てこい」
二人は任せろ、と言うシャンクスから、早めに済ませるね、と離れる。
「ゆっくりでいい」
「ありがとう」
卵に明日の朝食用に牛乳と、と少し早足に売り場を回る。
少し重くなったかご。
買い忘れがないかチェックする。
「あ!ジウいたぞ」
呼ばれて顔を上げると、お菓子の入った籠を手にルフィが駆けてくる。
「ルフィくん、お店の中は走らない」
「そうだ。マキノにもよく言われるんだ」
ピタリと止まって、てこてこと歩いてくる。
「買うもの決まった?」
「おう!」
箱菓子や駄菓子がたくさん詰められた籠に、ふふ、と笑う。
「シャンとウタちゃんは?」
「ウタがキラキュアかちびっこせいかつかまだ決まらなくて、あっちにいるぞ」
ルフィが出てきた一つ先の通路を指差す。
一緒に先の通路を覗くと、何やら悩まし気なウタと目線が合うようにしゃがみこんでいるシャンクス。おもむろに伸びたウタの手が、陳列棚のお菓子の箱の前で彷徨う。
「ずっとあの調子だ」
早く食べたいのに、と選んだお菓子を眺めるルフィに、お菓子はご飯のあとね、と言い聞かせ、ようやく一つを手に取ったウタに声を掛けた。