• テキストサイズ

合同リレー作品集【鬼滅・呪術・ヒロアカ・WB】

第4章 6つのお題から自由に選択



◆ ◆ ◆ ◆ ◆


「……七瀬ちゃん?」


童磨の声で、七瀬は記憶の奔流から現実に引き戻された。

頬に涙が流れていることに気がつく。


「私……私は……あの夜……」


彼女は震える唇を真一文字に結ぶ。

すべてを思い出した。

前世で自分は鬼殺隊の剣士で、確かに目の前の男に殺され、喰われたのだ。


「ああ、やっと思い出したんだ?もしかして俺のこと忘れちゃったかなぁって、冷や冷やしたよ」


童磨は相変わらず人好きのする笑顔を見せる。

しかし、その瞳には冷酷無比な光が宿っていた。


「良くも悪くも、君は前世から代わり映えしない。だから、簡単に見つけられたんだけどね」

「……なん、で……」


七瀬は後ずさりした。

恐怖と混乱で頭の中が真っ白になる。


「今も昔も、言葉ひとつで簡単に動揺する。まぁ、そんな純粋さも可愛いけど」


童磨は彼女を見下ろしながら、興味深そうな表情をする。

庭に咲く一輪の花を見遣り、ひらひらと舞う蝶を手のひらで掬うように愛でる、そんな一瞬の慈しみが浮かんで消えた。


「なぜ……私の前に現れたの?」


狼狽する七瀬の声は掠れていた。

喉がカラカラに乾いて唾さえ飲み込めない。




/ 165ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp