第7章 初めまして雄英のみなさん
あぁ......。仮面が鬱陶しい。視界が狭まって行動が限られる。
仮面を取りたい手を押さえながら、弔くんたちの元へ急いで走る。
階段を降りようとしたその時だった。
突然、背後で耳をつんざくような爆発音が聞こえた。
『っっぅ!?』
真っ直ぐに立っているのがやっとなくらいの爆風が吹き、なんとか地に足をつき踏ん張る。
今度はなに?入口から?
生徒がまたなにか───
っ!?
違う......この感じ......生徒じゃない...ッ...
砂埃と一緒に漂ってくる、凄まじいオーラに戦慄が走る。
砂埃でその姿が見えなくても分かる。
.........いる。すぐそこに...ッ...平和の象徴......オールマイト......
あれが.........先生を傷つけた......っ!!!
砂埃から徐々に鮮明になっていくその姿。
「遅れてすまない......もう大丈夫。私が来た。」
身長は先生くらいだろうか、大きな身体に、こちらの身も震え上がるような気迫。
声は荒らげてないのに、その声は殺気に溢れているのが分かる。
『.........う........る...さい』
逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろと本能が言っている。
「...ん?君は......子供?うちの...生徒...じゃあないよな...?」
逃げろ、逃げろ、逃げろ、頭の中でこだまする。
『......う.........っさ...い』
「とにかく、君も早くここから逃げな———」
私の肩に手を置こうとするオールマイト
逃げろ、逃げろ、逃げろ、逃げろ.........
「オールマイトちゃう!!!その子はっ———」
オールマイトの後ろにいた生徒たちの中の1人の女の子が叫ぶ
『うるっっっさいなぁああ!!!!!!!!』
「なっ!?」
その瞬間拳を振り上げる。
頭の中で何度も反響する自分自身に言ったのか、目の前の彼らに向かって言ったのかは自分でも分からなかった。
先生が言ってたオールマイトの傷、左の脇腹!!
オールマイトに私の拳が入る手前で私は体中が黒いものに吸い込まれ、目の前の景色が一瞬にして変わった。
黒いものが黒霧のワープゲートだったと気づくのにそれほど時間はかからなかった。