第7章 囚われのお姫様
死柄木達がタワーを目指す中、一足先にタワーの入り口へと辿り着いたコンプレスと分身したトゥワイス。
「…ここにちゃんたちが居るのか。
トゥワイス。お前の力を貸してくれ。
ここから先は敵もまた一段と増えるだろうよ…
一筋縄では辿り着かねェ…。
俺も出来るだけサポートに回るからよ。
…何としてもちゃんと
義爛を助けよう。」
タワーを見上げて愛しいが待っていると思うと覚悟を決めるコンプレス。
「おぅ、任せとけ!!」
コンプレスの言葉に頷くと両手を広げ、また増殖して自身を増やすと足早にタワーの中へと入っていくトゥワイスとコンプレス。
予想通り、タワーにもおびただしい数の解放戦士達が待ち受けておりそれを増殖したトゥワイスが攻撃をし、コンプレスも敵の身体の一部や敵自身そのものを圧縮したりして交わしながらタワーの最上階へと続くエレベーターに何とか辿り着き乗り込む。
「…ハァッ……ハァッ……トゥワイス、大丈夫か?」
「…ぉう!…なかなかの数だったぜ、
クソ解放軍!!」
エレベーターの壁に手を付き、肩で息をしながら同じように呼吸を乱しているトゥワイスを気遣う。
少しずつ上昇していくエレベーターにもどかしく、最上階で待っているであろうの事を想うと早く…早く…とはやる気持ちを抑えるようにブーツの爪先をカツカツと無意識に鳴らす。
チン…ッ、とようやく最上階到着のベルが鳴り扉が開くと視線を走らせながらタワー内へと足を踏み入れを探す。
すると視線の真っ直ぐのところに椅子に縛られた不安気に揺れる瞳とすぐに目が合い。
『……圧紘さん……ッ!!』
「…ちゃん…ッ!!」
久しぶりに聞いたような愛しい彼女の声に駆け出そうとするも、すぐ近くにリ・デストロの姿を確認すると迂闊に近付く事が出来ず踏みとどまる。
俺の姿を見るや否や、眉を下げ、不安気に揺れていた瞳を潤ませ涙を浮かべるちゃん。
そんなちゃんを今すぐ解放してこの腕できつく抱きしめてやりたいが下手に動く事が出来ず、どうしたものかと考える。