第9章 リアル無人島サバイバル「ぼんおら」9
ゴゴゴゴゴ……。
絶対押すなボタンを押した直後、行き止まりと思われていた壁が持ち上がり、徐々に光が彼らを出迎えた。
おらふくんが真っ先に声を挙げた。
「やった! ぼんさん、出口ですよ!」
その声に、ぼんさんはへらりと笑む。おんりーもMENもひとまず安心し、彼らが遺跡を出た後に、こっそりとドローンでついて行った。
こうして、ぼんさんとおらふくんは無事にみんなの名前を口に出し、遺跡からの脱出も出来た訳だが、その後の展開は何もないまま、気づけば夕方になっていた。
ドッキリだったとどこでバラすのか聞いていないおんりーとMENは、そろそろドローンのバッテリー残量がなくなることに心配になりながら、ぼんさんとおらふくんの後ろで、一緒に夕日を眺めていた。
ぼんさんとおらふくんは砂浜に座り、ここからどう脱出しようか話し合っていたのだが、その解決方法は見い出せずにいた。
「イカダとか作った方がいいですよね!」
「ゲームみたいに木でサクッと出来たらね」
彼らにはツールがある訳もなく、沈まない船をそう簡単に作れる訳もない。これから来るだろう夜に備えてなんとか火を起こし、焚き火を眺めながら、おらふくんが急に話を振ってきた。
「ぼんさん、覚えてますか?」
「何を?」
ぼんさんは木の薄い皮を焚き火に放り投げながら訊ねた。