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《赤井夢》Happiness{R18}

第55章 再会




『えーっと……あ、ここだ!』



仕事を終えた私は
波土禄道がライブ前に行うリハーサルを見学するため
会場にやってきた。



入り口にいるスタッフに説明をすると中に入れてもらえて、すでに到着していた蘭ちゃんと園子ちゃん、江戸川くんと昴さんと合流した。



「美緒さん、お仕事お疲れ様です。」

『ありがとう。
ごめんね、急いできたんだけど少し遅れちゃって…
もうリハーサル始まってますよね?』

「いえ…それが…」

『?』



言葉を濁していた昴さんに話を聞くと
今日のリハーサルは予定時間を過ぎているのにまだ始まっていないらしい。


なんでも新曲の歌詞がまだ完成していないようで

波土さんはステージ上で、誰もいない客席を眺めながら書きたいから1人にして欲しいと言っていたそうだ。



しかも波土さんは今回のライブを機に
引退する予定なんだとか…。





園「じゃあ明日も学校だし、ウチらは帰ろっか。」

蘭「そうだね。リハーサルいつ始まるか分かんないし。」

コ「え!?帰っちゃうの!?」




蘭ちゃん達が帰ると言い出すと、それに驚いている江戸川くん。


彼からしたら
17年前の事件の事を知れるチャンスだし
きっとまだここに残っていたいんだろう。




「でも最後のライブのリハーサルなら
見た方がいいのでは…?」

蘭「昴さんには悪いんですけど
実は私達、そんなに波土さんのファンじゃないんです。」

『え…?そうなの?』

「では、ここに来ようと言い出したのは……?」


「……僕ですよ。」






蘭ちゃん達に昴さんが尋ねたところで
私達の背後から聞き覚えのある声が聞こえて来た。




『っ…!!』




後ろを振り向くと、やはり思っていた通りの人物…

安室さんがいて、なぜか榎本さんも一緒だった。






「ポアロの店で僕が波土さんの大ファンだと話したら、園子さんがリハーサルを見れるように手配してくれたんです。
彼が所属するレコード会社に出資しているのが
偶然園子さんの鈴木財閥だったらしくて…」




そ、そんな……気まず過ぎる…。



告白をされたままずっと会ってなかったし
ここには赤井さんもいるし…




一体どんな顔していればいいの!?




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