第54章 放心
『それとさっきの浅香って人…
赤井さんの知り合いなんですか?』
「この前少し話したと思うが
羽田浩司が殺された17年前の事件…
浅香という人物はその事件の容疑者の1人でな…」
そっか…だから江戸川くんも驚いていたんだ。
波土禄道がその新曲を作ったのが17年前で
羽田浩司さんが殺されたのも17年前……
しかも曲のタイトルが"ASACA"だなんて
何か関係があるのかもって思ったんだね。
「リハーサルは来週の水曜日だが
美緒も来るか?」
『うーん…せっかくだから行こうかな!
仕事が早く終わったらそのまま会場に向かうね。』
波土禄道にはあまり興味はないけど
少しでも昴さんと一緒にいたいから……
そんな事恥ずかしくて言えないけどね…
園「ちょっとちょっとー
昴さんと若山先生、2人の世界に入ってないで
早く掃除終わらせますよー?」
『ご、ごめんね!!ちゃんと手動かすから!』
みんなで手分けして掃除をし、ある程度綺麗になったところで
外が暗くなる前に、掃除は終えることになった。
…夜遅い時間に高校生が出歩くのは危ないし。
『じゃあねみんな、気をつけて帰ってね!』
蘭「え?若山先生は帰らないんですか?」
『あ…うん、えっと……』
蘭ちゃんの質問になんて返そうか困っていると
昴さんは私の肩に手を乗せてグッと引き寄せた。
「美緒さんは明日仕事が休みなので
今日はこのままここに泊まる予定なんですよ。」
…間違ってないけどそんな正直に話されるのは
どうしても恥ずかしい…!!
園「んもーっ!お泊まりだなんてなんかやらしい〜!」
『ちょっと園子ちゃん!!
あまり大人を揶揄わないの!!』
園「ふふっ、はぁーい!
じゃあ邪魔者は退散しまーすっ!!」
園子ちゃんはニヤニヤしながら…
蘭ちゃんと江戸川くんは苦笑いをして工藤邸を出て行った。