第54章 放心
今日は仕事が少し早く終わったから
赤井さんに会いに工藤邸に来た。
明日も仕事だから晩ご飯を食べたら帰るつもりだけど。
最近の私は
先日安室さんに告白されて
なんと言って断ろうかと、その事ばかり考えていて…
あんな風に真っ直ぐ告白されたのは久しぶりだったから、私もちゃんと受け止めて、ちゃんと考えて返事をしないと
安室さんを傷つけちゃうし、失礼だと思う…
そう考えると断る言葉が何も浮かんでこなくて
赤井さんに会いに来てからもぼーっとしてて…
せっかく晩ご飯を一緒に食べれるのにおかずのお肉を焦がしてしまった。
でも赤井さんは私が失敗しても責めないし
何に悩んでいるか無理に聞こうともしなかった。
私の事を信じてる、と言ってくれて
赤井さんのその気持ちが本当に嬉しかった。
安室さんとのことが解決したら
私がちゃんと話すつもりでいたことも赤井さんには見抜かれてしまっていて…
見守ってくれているんだと伝わってきて
なんだか付き合い始めた頃よりも
赤井さんとの絆が深まっているような気がした。
…やっぱり安室さんには
私の気持ちをストレートに話して返事をしよう。
いつまでも返事をしないままでいるのも
赤井さんにずっと黙ったままでいるのもだめだよね…。
心の中で決意を固めていると
赤井さんから、今週末にこの屋敷の大掃除をする為
手伝いに来て欲しいとお願いをされた。
「コナン君と一緒に住んでいる女子高生とその友人も来るそうだ。」
『蘭ちゃんと園子ちゃんだよね?
週末なら多分定時で帰れるから
仕事が終わり次第手伝いに来るね!』
「悪いな。」
こんな大きな屋敷の掃除を
赤井さん1人でやるなんて絶対無理だもん。
私も何度か掃除したことがあるけど、あまりにも広過ぎて
リビングとダイニングとキッチンくらいしかやっていなかったからなぁ…
そして、食事を終えた私は
赤井さんに車で家まで送ってもらい、お風呂を済ませてから寝室のベットで横になった。
今日は泊まる事は出来なかったけど
赤井さんの顔が見れたし、一緒に食事が出来てよかった。
おかげで明日の仕事も頑張れそう…
そのまますぐに眠りについた私は
翌日…いつもと同じ時間に目を覚ました。
が……