第53章 詫言 ✴︎
キーンコーンカーンコーン
『はい、今日の授業はここまで。
来週はテストがあるから、みんなしっかり復習してきてね!』
「「「はーーいっ!!!」」」
『それと宿題も忘れずに。
今朝配ったプリントもお父さんとお母さんに
必ず渡して下さいね!』
今日は金曜日…
1日の授業が全て終わり、
生徒のみんなにホームルームで話をしていると
1人の生徒が手を挙げながら発言した。
「せんせー!今日はすごく機嫌がいいみたいだけど
この後なんかあるの〜?」
『っ、え!?』
「あーっ!ひょっとしてデートの約束とか〜?」
『!?!?』
私ってそんなに分かりやすいの!?
確かに仕事終わりに赤井さんに会いに行く予定があるけど…
いつも通りのはずだと思ってたのに
私は無意識に浮かれていたのを生徒達に悟られてしまっていたようだ…。
『もう!!そんな風に先生のことを揶揄うなら
テストの問題難しくちゃうよー?それでもいいの〜?』
「「「えーーーーっ!?」」」
『先生にだって楽しみにしている予定くらいあります〜。
みんなと同じで先生達も明日はお休みなんだよ?
何して過ごそうかなって考えてたら
気分が良くなっちゃっただけ!分かった?』
私の言葉を聞いて生徒達は納得してくれたようで
各々帰る支度を始めていた。
『じゃあみんな、気をつけて帰ってね!
また来週学校で!』
「「「はーいっ!さようならーー!!」」」
…やっぱり子供って可愛いな。
時々鋭いところはあるけど
まだまだ心は幼くて、純粋でとても素直…。
大変だなって思う時も何度かあるけど
それ以上に教師という仕事に私はやり甲斐を感じている。
それに休みの日には赤井さんと過ごせて
仕事の疲れも癒やされるし…
最近の私は充実した日々を送っていて
毎日がとても幸せだなって実感している。