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《赤井夢》Happiness{R18}

第52章 親友 ✴︎





先に店の外に出た私は、昴さんが出てくるのを待ち
少し経つと会計を終えて紙袋を手に取った昴さんが出てきた。


…でもさっきされた事が許せなくて
プイッと顔を背けて1人で歩き出した。




「…おい、美緒。」

『…。』

「俺が悪かった、機嫌を直してくれ。」

『っ、昴さんなんか知らないっ!!』



スタスタ歩き続ける私の後ろを昴さんは追いかけながら
ずっと私に謝罪している。

謝られたからって簡単には許せなくて
私はそっけない態度を取り続けていた。




「…頼むからそんなに怒らないでくれ。」

『昴さんがあんな事するからでしょ!?』

「悪気はなかったんだ…許してくれないか?」

『やだ!』



ぷんぷん怒りながらひたすら歩いていると
後ろから腕を掴まれて立ち止まった。



「もう外ではしない、…だから冷たくしないでくれ。」



目尻を下げて私に謝罪する昴さんは
本当に反省しているようで…

大きな犬がしょげている時の
ペタッと伏せられた耳が見えた気がした。




『……。もう絶対しない…?』

「ああ、約束する。」

『じゃあ…今度私と会う時
今日買った服を着てくれるなら…許してあげる…』



私の言葉を聞いた昴さんは
パッと顔を上げて嬉しそうに笑っていて…今度はなんだか尻尾を振っているように見えた。




『私も…足踏ん付けてごめんなさい…』

「なかなか強烈な痛みだったが
お前の友人が言ってた意味が分かったよ。」

『え…!?紗栄子が何か言ったの!?』

「…さぁな?」




昴さんは教えてくれないままニヤつきながら歩き出して、私は後を追いかけた。




『ちょっと…!何を聞いたの!?教えてよー!』



結局家に帰っても教えてもらえなかったけど
昴さんは私に悪い事をしたとちゃんと反省していたようで
昼食と夕食は私の食べたいものをご馳走してくれて…

幸せなあまり、帰宅する頃にはすっかり忘れていた私だった。

















(美緒を怒らせると痛い目に遭うと言うのは本当だったな…。)





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