第44章 帰国
今日は月曜日ー…
休み明けに学校へ出勤した私は
全ての授業が終わった後、江戸川くんに話があるからと
メールで連絡をし、家庭科室に来て欲しいと呼び出した。
先に家庭科室に来た私は
生徒達が下校する様子を窓から眺めていと
少し経つと扉が開く音が聞こえ、江戸川くんがやって来た。
『ごめんね江戸川くん、急に呼び出して…他のみんなは?』
「先に帰らせたよ。
僕も先生に話があったからちょうどよかったし。」
江戸川くんはそう言いながら
背負っていたランドセルを床に置き、椅子に座って
私も彼の正面の席に座った。
「それで、なにかあったの?」
『う、ん…実はね?
一昨日ポアロで安室さんに会ったんだけど
私が組織の事を知ってるのがあの人にバレちゃったの…』
安室さんと会った時のことを詳しく話すと
私が相談したかったことを悟ったようだった。
「確かに組織の事を知ってるってなると
若山先生が転生したこともバレる可能性があるね…
もし先生のことを聞かれても絶対言わないし
2人を出来るだけ会わせないように気をつけるよ。」
『本当にごめんね?私が上手く誤魔化せなかったから…』
「あの人にはその場しのぎの誤魔化しなんて
絶対効かないと思うよ?」
…確かに。
安室さんも赤井さん並みに頭いいし
下手なこと言ったら墓穴を掘るだけな気がする。
「昴さんはこの事知ってるの?
今はアメリカに行ってていないみたいだけど…」
『電話で話したよ。
でも気にしなくていいって言われた。』
「たぶん昴さんもいつかはこうなることを読んでたんだよ。
だから本当に気にしなくていいと思う。」
江戸川くんも本当に優しいな…
私より年下の高校生なのにすごく頼りになる。
『ありがとう……江戸川くんの話っていうのは?』
「実はさ、この前会った世良のことなんだけど…」
世良さん…?
確かこの前ホテルで起きた殺人事件の時に会った
女子高生探偵の子…だよね…?