第43章 謝意
『えっ……に、2週間…?』
「ああ。」
『じゃあ…2週間経ったら…』
「…またこの家に戻ってくる。」
…穴があったら入りたい!!!!
私すごく馬鹿じゃん!!
勝手に自分が振られると思って勘違いして
赤井さんの事を責めるなんて……!
タイムマシンがあるならほんの数分前に戻して欲しい…
とりあえず謝ろうと思って口を開きかけたら
私の後ろにある玄関の扉がガチャッと音を立てて開いた。
「失礼します。赤井さん、迎えがきました……
って、美緒さん!?」
玄関から入ってきたのはキャメルさんで
きっと私がいる事に驚いているだろし、
しかも私は先程まで勝手に勘違いをして泣いていたから
まだ涙の跡が残ってて、側から見れば赤井さんが私を泣かせているように見えるかもしれない…。
「はぁー…キャメル、ジョディには少し待ってもらってくれ。
アメリカに行く事をまだ美緒に話していないんだ。」
……そんな溜息つかなくてもいいじゃないですか!!
「わ、分かりました。伝えてきます……」
玄関の扉がパタン、と閉まり
再び私と赤井さんの2人きりになったところで
家の中に入るように言われて、私たちはリビングに向かった。
そして……
「……馬鹿女。」
『っ、ごめんなさい……!!』
リビングに入ってからの赤井さんの第一声を聞き
私は即座に謝罪した。
雰囲気から私に対して呆れているのが分かるし
赤井さんに馬鹿って言われても仕方ない。
「お前の頭の中はどういう作りになっているんだ。
構造を見せてもらいたいものだな。」
『あ、はは……本当に…どうなっているんでしょうね…』
自分が情けなくて
赤井さんの嫌味に言い返すことすらできない。
多分誰が見ても今のは私は滑稽にしか見えないだろう。
俯いたまま顔を上げることができず、
微妙な空気だけがリビングに流れていると、赤井さんが私に近づいてくる気配がした。