第41章 返礼
「重くなんかないですよ。
むしろ…そう思ってくれてた方が嬉しいです。」
『っ…』
やっぱり赤井さんって大人だ…
女性から男性に時計を贈る意味を知らなかったとはいえ
普通なら束縛されるのなんて嫌なはずなのに…
私がそんな気持ちでいても
受け止めてくれるってことなんだよね?
私の全部を受け入れてくれるつもりでいる
赤井さんの懐の深さに感動して胸が熱くなった。
『私も…昴さんになら束縛されてもいいって思ってます…
これからもずっと…
あなたと色んな時間を過ごしていきたいです。』
「っ…」
生きる世界が違う赤井さんと私だけど
これからどんな困難な壁にぶち当たったとしても
2人で乗り越えていきたい…
ずっとこの人と一緒にいたい…
そんな気持ちを込めて握られた手に力を入れたけど
昴さんはまた固まっていた。
『?…昴さん…?』
不思議に思って声をかけると
私の手を握ったままソファー席から立ち上がった。
「…もう帰りましょう。夜景は十分楽しみましたよね?」
『えっ…?あ、はい…堪能しました…』
急にどうしたんだろう…と不思議に思いながら歩き
地上までの下りのエレベーターを係員に案内され2人で乗り込んだ。
そのエレベーターには私達以外のお客さんはいなくて
扉が閉まるのと同時に
昴さんはエレベーターの壁に私を押し付けて激しく唇を重ねて来た。
『っ、んんッ…!?す、すばるさ……んっ!』
喋りたくてもすぐに口を塞がれ
昴さんの余裕の無さそうなキスに戸惑っているとようやく少し唇が離れた。
「美緒…早く帰ってお前を抱きたい。」
『っ、へ…?』
「あんなに真っ直ぐな愛の言葉を聞いて…
抱きたくならない男などいない。」
『え……え…?』
「家まで我慢できるように…地上に着くまでキスさせろ。」
『っ、んん…!』
…赤井さんはその後、エレベーターが止まるまで
私に激しいキスを浴びせて来た。
抵抗する力も奪われるくらい
熱くて甘いとても情熱的なキスで…
私は黙って受け入れてキスに応えた。